{やさしい曲を美しく弾く!}が目標。ぶきっちょな独学アマチュアピアノ弾きの日々。
ブーニンとショパンコンクールとトラウマ
2013年08月02日 (金) | 編集 |
図書館で「英雄ポロネーズ/ショパン・コンクールのブーニン」という見つけ、懐かしさを覚えつつ手に取りました。

英雄ポロネーズ ショパン・コンクールのブーニン英雄ポロネーズ ショパン・コンクールのブーニン
(2010/09/15)
ブーニン(スタニスラフ)

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このCDそのものは割と最近(2010年)の発売なのですが、原盤は、日本中に「ブーニン・フィーバー」を巻き起こした1985年のショパンコンクールの直後に発売されてクラシック界の話題をさらった「衝撃のショパン・コンクール・ライヴ」です。
この当時のブーニン・ブームはすさまじかったですね。
タワシはこのひとに特に熱狂したわけではなく、むしろ同じ第11回コンクールで5位になったルイサダさんの演奏のほうが好きだったのですが。
それでもあのブームは、明らかにひとつの時代だったなあと、ブーニン青年の演奏を久々に聴きながら、しみじみと思うタワシなのでありました。

今、聴くと、本当に良くも悪くも若いですね、ブーニン。
19歳とはとても思えない演奏と盛んに言われていましたが、やはり若さに任せて突っ走ってると思える箇所も多いです。
このパッセージこんなに駿足で駆け抜けるかなぁ?この音はもっとじっくり響かせたほうがよくない?と何度か思いました。
でも、大胆でダイナミックで、一気呵成に一筆書きで書き上げたような彼のショパンは、それはそれですごく説得力のあるもので、クラシックに無縁な人々の心をつかんだのも理解できます。

ところでこのCDのライナーノート(解説書)にとても興味深いことが書いてありました。ちょっと引用しますね。

最近ブーニンは当時を振り返ってこんな本音を漏らした。
「コンチェルトの最終出場者だった私は、第3楽章のコーダ に入る前に これでもう長丁場のコンクールが終わる という考えが脳裏をよぎり、優勝を確信してしまった。そしたら一瞬気がゆるんで フィナーレに行くまでにたくさん ミスをしてしまった。以後、トラウマとなり、この部分に来るといやな思い出がよみがえってくるんですよ(笑)」


もうすぐ終わり、というところで気が緩んでミスをする。
ひとつミスすると連鎖反応的にミスしまくってしまう。
以後、その曲を弾いてその箇所に来ると、音を外しまくったいやな記憶がフラッシュバック・・・。

なーんだ、ブーニンさんもタワシと同じじゃないですか。(タワシは今確実に、日本中のブーニンファンを敵に回しましたね・汗)
一流のプロだってミスタッチはするけれど、それをいつまでも引きずることなんてないと思っていました。
もちろんショパンコンクールという特別な大舞台で、いくら早熟とはいえ当時二十歳前の若者ですから、記憶に鮮明に残ったのでしょうが。
この記述を読んで最後の部分だけ何度か繰り返して聴いてしまったタワシは意地悪でしょうか。
でも確かに立て続けにミスタッチしてますけど、音楽の流れがそれで損なわれているわけではないから、そんなに気にはならないのですよね。

「美味しい音楽」コンサートのナポリターナメドレーで、最後の1曲「チリビリビン」の終盤で「ああ、もう少しで終わる」と思った瞬間、ズルッと音を外しその後次々とコケまくったことをまた思い出しました。
本当にあれは悔しかった。それまで調子よく進んでいただけに。
苦い記憶はなかなか払拭できないけれど、一流のプロも同じようにトラウマとたたかっているとわかると、少なからずほっとしますね。

↓当時大いに話題をさらった、超高速「猫のワルツ」(ワルツ第4番)♪

Chopin Waltz Op.34 No.3
テーマ:ピアノ
ジャンル:音楽
コメント
この記事へのコメント
そりゃぁ、有名ピアニストだって人間だからね^^;
ホロビッツだってとても神経質で緊張する人だったらしいじゃないですか。
たくさんの舞台を経験していてもそんなもんなんですね。
失敗の痛手を克服するにはリベンジしかないでしょう!
がんばれ、タワシさん。

タワシさんのせいで英雄ポロネーズに火がついちゃったよぉ。ちょっと弾いてみたいな、なんて思ったりして。(猫のワルツの後に出てきたから…)昔、憧れたなぁ~。ブーニンのはカッコいいよね。

今弾いたら弾けなくはないかもしれないけど、同じ時間をかけるなら他の物を…って思う^^;年齢によって好みも変わるよね。
2013/08/02(Fri) 11:39 | URL  | 金魚 #JalddpaA[ 編集]
こんにちは~。今日の記事、興味津々で読みました。面白かった~。ブーニンとルイサダは同じコンクールに出てたんですね~。へー。勉強になりました、ありがとう。

タワシさんやブーニンのミスタッチなんて、音楽全体から見れば取るに足らないミスですよね、きっと。もちろんコンクールとなれば、それこそもし優勝できなかったとしたら、悔いが残ったでしょうけど、でもやっぱり彼は優勝できた。タワシさんだって、ご自身はいつもミスタッチを気にしてるけど、周りは言われなければ気づかない程度だったりするし…。音楽の前に謙虚であることはいいと思うけど、タワシさんはもっともっと自信さえ持てばいいんじゃないの~?

お化け屋敷を歩くのと同じで、不安そうにしてると何でもないことが怖いじゃないですか?タワシさんはもっと堂々と、胸張って、自信もってれば、それでいいと思うな~。みんなこれだけタワシさんの演奏を気に入っているのに。

それこそ、ミスタッチとも呼べないくらい、ひどく音楽の流れをぶった切る私の本番演奏こそ、トラウマになるべきだと思うんですけど、ショックこそあれ、トラウマにはなってないんですよね。相当厚かましいらしいです、私(^^;;
2013/08/02(Fri) 12:36 | URL  | トマト #jVHfAgrc[ 編集]
プロでも最後を意識するとミスタッチをするんだぁ~・・・
何時もレッスンでは曲の最後の方や、難しいなぁ~と思ったパッセージを意識するとミスタッチをやらかして先生に指摘されます・・・
でも流石にプロは、
>立て続けにミスタッチてますけど、音楽の流れがそれで損なわれているわけではないから、そんなに気にはならないのですよね。
って凄いとしか良い様が・・・
その辺がプロとアマちゃんの違いなんですねぇ~・・・
確かに先生から「ミスタッチしても気にせずリズムを保って!!!」って良く注意されていますが・・・


2013/08/02(Fri) 13:35 | URL  | @我楽多 #kTvoSsVA[ 編集]
金魚さん>
おお、なんかすごくお久しぶりのような気がしますね。
応援どうもありがとう。
一流のプロでも緊張するんだから、私たちなんてどんなに緊張しても恥じることはないよね。
もちろん、緊張のせいで大崩れするのだけは避けたいと思ってはいます。

英雄ポロネーズは確かにかっこいいね。
金魚さん本命曲がほかにあるなら時間はかけなくていいけど、ぜひ「さらっと」弾いてみちゃってください♪
ブーニンの演奏 ワルツのおまけにちょこっと入ってるやつでゴメンナサイ。探せばきっとフルバージョンのもあるよね。
2013/08/03(Sat) 07:25 | URL  | 私はタワシ #5eVrhZok[ 編集]
トマトさん>
記事楽しく読んでもらえたようでよかったです。
ブーニンが優勝したのは1985年の第11回です。小山実稚恵さんも同期ですね。
歴代の入賞者については、こんなサイトもあるので、参考までに♪いろんなエピソードも載っていて参考になりますよ(^^)v
http://www.geocities.jp/chopin_the3d/tosyositu/kon/chopin.html

しかしトマトさん!
「タワシさんやブーニンのミスタッチなんて」と、私とブーニンをここで並べるなんて、無茶にもほどがありますよ。思わず吹き出しちゃった。
そうね・・・もうちょっと自分の演奏を認めてあげてもいいのかもしれない。今の完成度でなくて、たとえ亀の歩みではあってもその発展途上ぶりとか、いろんな悪条件の下でそれなりにがんばっている自分の努力とかを。
でもトマトさんのほうが私よりはるかに自分の演奏に厳しすぎると思うけどな。大崩壊とか撃沈とかいって聴いてみたら全然そんなんじゃないもの。まあこれはブログの他のお友達もそうだけどね。

トマトさんが厚かましいというなら私も厚かましいわよ。
トラウマ曲というのはいちおうあるけど、それで人前演奏に演奏があるかといえばそうでもなく。毎日楽しく練習してるし、機会があれば人前で弾くのも練習のうちと割り切ってステージにも上るし。
でも普通の発表会とか ピ○ィナみたいのはやっぱりだめだ・・・そこでしくじったらその曲は一生弾けなくなりそう(^_^;)
2013/08/03(Sat) 07:49 | URL  | 私はタワシ #5eVrhZok[ 編集]
@我楽多さん>
ミスタッチしても動揺を顔にも音にも表さないのはさすがプロですね。もっともアマチュアでもそれができる優秀な人も結構いますが。
私も以前に比べたらミスってもそ知らぬ顔で弾きつづけられるようになってきました。
やっぱり慣れは大きいですね。慣れだけで100パーセント克服できるものではないですけど。
それから私は教会の伴奏者をしているので、そこでも、ミスしても先へ進み続けるという訓練が、されているかもしれませんね。
2013/08/03(Sat) 10:24 | URL  | 私はタワシ #5eVrhZok[ 編集]
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